ファンクラブ会報★第25号 [2]

男闘呼組ファンクラブの会報★第25号は、1993年の初仕事・舞台「品川心中」で時代劇に挑戦している岡本健一特集です。

花のお江戸を守るため、戦う武士・新太郎

ふたつの時代を飛び越えた、お染と新太郎のプラトニックな恋

岡本健一、93年のスタートは舞台、それも初の時代劇である。今までの舞台とは全く趣の異なるもので、はっきり言って、ちょっと意外な感じではあった...。けれど、大原さんはじめベテラン役者に囲まれても決して気後れしないことはもちろん、しっかり期待に応えてるところは、さすが。今までの舞台はセリフも多く、舞台の熱気がギンギン伝わるものだったけど、今回は、けっこうリラックスしながら、サラリとマイペースで演じていたのだ。

また、客層もいつもとは大違い。芝居好きな人たちや、ファンの女の子たちが集まる今までとは違い、同じ芝居好きでも、グーンと年齢層が上がった今回。もちろん、いつも健一の舞台を見にくる人たちもいらしているのだろうが、年配のパワーはスゴイ。1部と2部との間の休憩では、おばさんたちがロ々に「新太郎は絶対生きてる。あの子が死んだら、話しにならんもんねえ」なんて話してるし(まぁ実際生きているんだけど)、始まればキャストを「あら新さんよ」なんて、すっかり知り合いのような口ぶり。

今までのピーンとはりつめた緊張感の中で見る、健一の舞台もいいけれど、こんなほのぼのした舞台もたまにはいい。どちらがいいかは好き好きだけど、女の子にとっては、大原麗子さんの素晴らしい着物姿(8回も着替える)を見れるのは楽しいし、また健一はどこまでもかっこいいキャラクターで、まさにヒーロー。ちょっとした立ち回りも見せるし、硬派で、お染さんとの愛もホロリ泣かせる。新しい彼の魅力に出会える、貴重な舞台だったのだ。

インタビュー★日本的な芝居を演じることも、大切だと思ったんだ

舞台も最終日に近づいてから、楽屋を訪ねてインタビュー。

ー 今回は声もそんなに辛そうではない。やはり、もう6度目の舞台の余裕?

「いや。今蜷川さんの舞台で激しい性格の役をやれば、やはり声は枯れると思うし。そういうタイプの役じゃないってことかな」

ー 今回の『品川心中』は、今までの舞台とは全く異なるタイプの芝居だけど、やろうと思ったきっかけは何?

「演出の石井ふく子さんは、ずっと日本人の心とか人情とか、そういうドラマを支えてきた人で、その世界では第一人者。僕も日本人だし、そういう世界に入ってみるのも、いい経験じゃないかと思ったんだ。それに共演が大原麗子さんでしょ。こんないい話、断る人いないよ(笑)」

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