ファンクラブ会報★第24号 [2]

男闘呼組ファンクラブの会報★第24号は、連ドラの主役に体当たりしている成田昭次の大・特集号です。

「俺、この原作の漫画、大好きでき、役がきたときはすごく嬉しかったんだ。でもそのあと悩んだよ。原作があるものって絶対比べられるだろう。この漫画を読んでた人はきっとそれぞれ自分なりのカオル像があるはず。そうすると俺がカオルのイメージじゃないって思う人だっていると思うんだ。でも、それは仕方ないことなんだよな。だから見る人には、漫画は漫画、ドラマはドラマ。これは独立した『お茶の間』なんだってことを分かってほしいんだ」

この番組の時間帯はかつて、石田ひかりちゃん主演の『悪女』をやっていた枠。この『悪女』も漫画が原作だったけど、ドラマは原作とは全く違う光を放っていた。昭次もそのへんのことはよく見ていて「そうそう。ひかりちゃんも別に原作の漫画のヒロインそっくりだったわけじゃないだろう。そっくりになんてなりようがないんだよな。原作の漫画は、あせれば顔中に斜線がザーっと入って、ガーンとかネームが入るけど芝居じゃそんなことできやしない。監督とも撮影に入る前にいろいろ話したんだけど、やっぱり原作は気にせず、自分たちの『お茶の間』をつくろうっていってたよ。俺はひたすら成田流のカオルを演じるだけさ」

漫画のイメージに悩んだ昭次。でも今は吹っ切れて、新しいカオル像に挑戦中。今見てる人たちの頭の中には、原作とは違う、もう一人のカオルが映っているはずだ。

ドラマ撮影合間の昭次は、スタッフと友達のようにおしゃべりし、ゲームをし(この様子はまで学校の休み時間のよう)楽しそうなんだけど、けっこう時間的にはハードで、深夜1時くらいから川に飛び込むシーンがあったり、早朝ロケがあったり大変。映画のあとドラマをやると「撮影が速いな」と感じる人が多いらしいけど、彼は反対。

「そうかなあ。俺は映画の方が速いと思ったけど。まあ作り手のやり方にもよるよな。とにかくカオルってやつが、ひとつのことしか見れない激情型の男なもんで、常にテンション上げとかないと、ついてけなくなっちゃうんで大変なんだよ。川に飛び込んだのも、鍵を川に落としたんで、思わず飛び込んで捜すってシーンなんだけどさあ、真夜中に川に鍵落として普通見つかるわけないじゃん。だいたい飛び込まないでしょ。ほんやることが極端なんだよコイツ(笑)」

そんな、まっすぐな性格のカオル。その後先考えないピュアなところがいいと昭次は言う。「大抵の男はさあ、子供の頃はウルトラマンとか見てヒーローに憧れるけど、カオルはその子供時代に、ホームドラマにハマって、ずーっとお茶の間に憧れてたって男だからさ。そのお茶の間を、大好きなソノコと築こうと一方的に思って、強引に実現にもってゆくという…ほんと変わってるヤツなんだよ。でも駆け引きとか、そーゆーことのできない分すごく純粋で、ウラとオモテがなく、ウソのない人生を送ってる。そこがアイツのいいとこなんだ」

しかし、それだけ全てに全力球しちゃう男ならば、演じる方も力をガンガン注がなくてはならないから、大変というのもうなずける。

思わず笑っちゃうようなセリフも「カオルは笑わせようと思って言ってるんじゃないから。アイツ、いつもマジだからさ」と言う昭次は、インタビューの間でも「ほんとヘンな男なんだ、カオルは」と言いながら、なんだかカオルくんをとっても、愛(いつく)しんでるようで、ほんとにカオルが実在するような、不思議な錯覚に陥ってしまった。

「こんな一途で鉄砲玉みたいな男に追っかけられるソノコは大変だよ」と彼は言うが、きっとファンは、このドラマを見て、みんな、ソノコになりたいと思うんじゃないかと思うよ。

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